マンション購入前に必ず確認すること【周辺環境編】

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快適に暮らす為に必要なものはなんでしょうか?
まず第1に快適な家が必要でしょう.
そしてそれと同じくらい重要なのが周辺環境」です.
なぜなら、どんなに建物が素晴らしくても、周辺環境が劣悪であれば快適に暮らすことはできないからです.

そこで今回はマンション購入前に必ず確認すること【周辺環境編】をご紹介します.

この記事を書いた人

ピッシュ
1級建築士として主にマンションの設計に携わっています.
これまで分譲マンションに限らず、賃貸マンション、デザイナーズマンションなど様々なジャンルのマンションの設計をしてきました.
自分自身でも横浜市に購入した中古マンションをリフォームし、夫婦+娘の3人で生活しています.

ちょっといい暮らし」ができるような情報を発信していきたいと思っています.

この記事は私自身の「マンション設計者としての視点」「マンション購入者としての視点」に基づいて書いています.
記事を書く理由は「マンション購入後に後悔して欲しくない」「より良い暮らしをして欲しい」という思いからです.
「マンションを購入して、ちょっといい暮らしがしたい」と思っている人に読んでいただけると嬉しいです.

先にこの記事の要点をお伝えすると以下の通りです.

周辺環境で必ず確認するのは
・駅までの道のり
・周辺施設
・お見合い部屋
・日当たり
・騒音
・匂い
・街の空気感

の7項目です.

詳細についてはこの先の本文よりご確認ください.

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目次

周辺環境は超重要!

人生において「最も高い買い物=マイホーム」となる人は多いでしょう.
そう簡単に買い替えられるものでもないので、購入するのであれば絶対に失敗したくないものです.

その為、購入を検討する際にはモデルルームまで足を運んだり、内見をして建物の仕様を入念に確認するのが一般的かと思います.
快適な暮らしをするうえで快適な家はなくてはならないので、建物の仕様を確認することは間違いではありません.

しかし、それと同じくらいに「周辺環境」も重要です.
なぜなら、いくら建物自体が素晴らしくても、周辺環境が劣悪であれば、快適に暮らすことはできないからです.

購入後に後悔することのないよう、周辺環境についても建物と同様に入念に確認しましょう.

周辺環境を確認するタイミング

マンションの購入を検討していて気になる物件を見つけたら、販売元にアポイントを取って、モデルルームに行ったり、実際の建物を内見しに行くのが一般的な流れだと思います.
周辺環境を確認するのは、販売元に建物を案内してもらう当日で結構です.
その際、オススメしたいのが、建物より先に周辺環境を確認するということです.

その理由は以下の2点です.

・冷静な判断ができるうちに見れるところを見ておくことで失敗するリスクを下げる
(実際に建物を見ると気持ちが舞い上がって買いたい気持ちが強くなります)
・周辺環境について気になる点があった時、あとで建物を案内してもらう際に販売元に質問できるので効率的

建物を案内してもらう前に1、2時間かけて周辺環境を確認し、その流れで建物を見に行くというイメージです.
事前にGoogleマップなどを見て予習しておくと、当日スムーズに確認できて良いと思います.

必ず確認する項目

必ず確認する項目として、7項目を以下にまとめましたのでご確認ください.

【1】駅までの道のり

鉄道網が発達した都市部においては、「自宅と駅との関係」は非常に重要視されるファクターです.
「駅までのみちのり」において以下の項目を確認しましょう.

所要時間

販売元から公表されている駅までの所要時間は、不動産業界で定められているルールに従い分速80mで歩くものと仮定して算出しています.
途中に信号踏切があったり、階段の上り下り、急な坂道があっても計算には考慮されないので、実際に歩いてみると公表値よりも多くの時間がかかるかもしれません.
また、所要時間の計算に用いる道のりは、建物の出入口〜駅舎の出入口までとなっているため、例えば地下深くにホームがある場合などは体感的な所要時間は公表値より長く感じるでしょう.
公表されている所要時間はあくまで目安なので、自分の足で歩いて実際にかかる時間を確認しておきましょう

本気で購入を検討する段階になったら、最寄駅〜職場までの所要時間及び混雑状況も確認できると良いですね.

安全性

電車で通勤・通学される方はほぼ毎日通る道です.
所要時間だけでなく車の交通量・歩道の有無・街灯の有無などの安全性も確認しましょう.

公共交通の運行状況

駅前に待機するタクシーの数バスの運行本数を確認しておきましょう.
普段は徒歩で駅まで行き来する場合でも、天気が悪い日や荷物が多い時などは公共交通を利用することも考えられます.
利用頻度が高くないとは言え、あまりにも運行本数が少ないと不便さを感じてしまうかもしれません.

我が家の最寄駅はタクシーの待機台数が少ないので、利用客が増える雨の日などはタクシー乗り場で10分以上待つこともあります.
後悔するほどではありませんが、少し不便だなと感じることはあります、、

駐輪場

自転車で駅まで行き来することを検討している方は駐輪場の位置、使用料、空き状況などについて確認しておきましょう.

いざ利用したいと思った時に、すでに定期利用枠が埋まっていたり、入出庫に時間がかかり電車に乗るまでの所要時間が想定外にかかるといった失敗は避けたいところです.

【2】周辺施設

生活の効率性に影響する為、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、病院、クリニック、公園、学校、保育園などの利用頻度の高い施設の位置や品揃え、価格などを確認しましょう.

スーパーの品揃えや、公園の雰囲気といった、インターネットではなかなか調べづらいような情報は現地で確実に押さえておきましょう.

【3】お見合い部屋

【お見合い部屋とは?】
部屋同士が向かい合っている状態のことです.
もう少し具体的に説明すると、自宅と周辺建物の窓同士が向かい合っている状態のことで、この場合、プライバシーの確保が難しくなります
対応策としては、カーテンを付けたり、曇りガラスにするのが一般的です.

お見合い部屋で特に注意しなければならないのがリビングです.
リビング以外の部屋であればカーテンや曇りガラスでなんとかなるかもしれませんが、リビングはそうはいきません.
リビングは最も滞在時間が長く、最も快適性が求められる部屋です.
閉めっぱなしのカーテンや、曇りガラスで閉鎖的になったリビングは嫌ですよね?

実際に購入を検討している部屋を内見できる場合は、お見合いの状況を実際に目で見て確認できるのでそこまで大きな問題はないと思います.
一方で購入前にモデルルームしか見れない場合は要注意です.
購入を検討している部屋とお見合いになりそうな窓がないか確認しましょう.

もし、そういった窓があった場合は、あとで販売元に位置関係を確認すると良いでしょう.

どれくらい離れているかにもよりますが、個人的にはリビング同士のお見合いが一番気まずいです、、

【4】日当たり

日当たりを確保することは快適な暮らしを得る上で非常に重要です.
モデルルームしか確認できない場合は、周辺に日当たりを阻害するものがないか確認しましょう.

もし周辺に工事中の敷地があった場合は要注意です.
新しく建つ建物で現状より日当たりが悪くなる可能性があるからです.
どのような建物が建つのかを販売元に必ず確認するようにしましょう.

また、今は大丈夫でも、将来的に日当たりが悪くなる可能性もあるので油断できません.
しかし、敷地を見に行っても将来どうなるかはわかりません.
「将来の日当たりを予測する方法」は以下の記事で詳しく紹介しておりますのでぜひ読んでみてください.

【5】騒音

騒音はストレスの原因となります.
許容できる音の大きさは個人差があるので、実際に自分の耳で確認することが重要です.
幹線道路、線路、工場、学校のグラウンドなどが周辺にある場合はよく確認しましょう.
また、東京都の新宿区、渋谷区、目黒区、品川区界隈のマンションを検討する場合は、羽田空港へ着陸する飛行機の飛行ルート下になる場合があるので要注意です.(2020年に運用開始された「羽田新ルート」というものです)

騒音は時間や日にちによって変わる場合もあるので、本気で購入を検討する段階になったら、再度現地に足を運んで確認したいところです.

【6】匂い

意外と見落とされがちですが、匂いも住み心地に大きく関係します.
周辺の匂いが気になる環境では窓が閉めっぱなしになってしまいます.

飲食店や工場、河川などが周辺にある場合は要注意です.

ポカポカ陽気の日には窓を全開にして、フレッシュな空気を室内に取り込みたいですよね.

【7】街の空気感

現地に足を運ぶことでその街の空気感みたいなものを感じることができると思います.
例えば、湾岸のタワマンが立ち並ぶような街では、若い人が多いので「活気」であったり、バンバン開発されている街の「勢い」を感じるかもしれません.
また、古くからある閑静な住宅街では「落ち着き」であったり「品」を感じるかもしれません.

そういった街の空気感が自分に合っているかどうかを確認することは個人的には重要だと思います.

なぜなら街の空気感は、いい意味でも悪い意味でも、そこに住む人が作っているからです.
もし、あなたが治安が悪そうと感じたとしても、その街の住人からしたら許容できる範囲ということです.
もし、あなたが街並みが汚いと感じたとしても、その街の住人はそれを許容できるから住んでいるのです.
街の空気感が合わないと思ったら、多分その街に住んでいる人とも合わないでしょう.


長く住むのであれば空気感が合う街に住みたいですね.

最後の項目はふわっとしてしまいましたが、言葉で定義することが難しい感覚的なものも大事にしたいと思っています.

さいごに

現代においては、実際に現地に足を運ばなくてもGoogleストリートビューなどを使えば周辺環境を見ることができます.
しかし、PCの画面越しに見るだけでは分からない情報もたくさんあります.
現地にて自分の足、目、耳、鼻、皮膚を使って感じることで初めてわかることがあります.

いくら建物自体が素晴らしくても、周辺環境が劣悪であれば、快適に暮らすことはできません.
それくらい「周辺環境」というのは快適な暮らしをする上で重要なファクターです.
あとで後悔しない為にも、必ず現地に足を運んで確認するようにしましょう.

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